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150系クラウンパトカー特集

1996年に80系マークIIと130系クラウンの後継として登場しました。

元々警らはマークII、交通はクラウンと車種が分かれていましたが、1994年度の国費で130系の警ら仕様が登場し、1995年にマークIIのパトカー仕様が廃止されたことから警らと交通が当代で完全に統一されることになりました。

エンジンは警ら仕様が2000ccの1G-FEで交通取締仕様が3000ccの2JZ-GEです。

2000ccは市販車とエンジンの諸元が共通ですが、3000ccのエンジン諸元は市販車と異なりMTの組み合わせがある80系スープラと共通です。 また、1998年には2000ccにVVT-i(可変バルブタイミング機構)が採用され、最高出力が135psから160psに向上しました。

トランスミッションは5速MTに加え、警ら仕様のみクラウンパトカー初の4速ATが設定されました(交通仕様は引き続きMTのみ設定)。 ATは当初油圧制御式でしたが、1998年に電子制御式のECTが採用されています。変速比はLPGエンジン搭載の営業車(タクシー仕様)と共通でECT化後も同一です。
後期型で市販車のMTが廃止されたのに伴い、パトカーでも警ら仕様のMTが廃止されています。

1998年の一部改良で平成10年排出ガス規制に適合し、排ガス記号がE-からGF-に変更されています。また、それに伴い主要諸元が変更されています。

1997年度国費の無線警ら車で同車のAT車が採用され、警らパトカー初のAT車本格配備となりました(試験導入では三菱シグマが初)。

この他、改造扱いで2500ccの1JZ-GEを搭載する4WDが少数配備されています(型式JZS153改)。

サスペンションは当世代から車軸式が廃止され、全車四輪独立懸架が採用されており、フロント、リアともダブルウィッシュボーンです。

安全装備として運転席エアバッグとABSが装備されましたが、3000ccのみ助手席エアバッグがオプション設定されていたほかABSはレスオプションも選択可能でした。

国費導入車1台あたりの価格
年度 無線警ら車 交通取締用四輪車 交通取締用四輪車(反転警光灯)
1997 182万円 日産が落札 228万円
1998 172万円 205万円 207万円
1999 210万円 188万円 226万円
2000 231万円 184万円 214万円

外観

外観はスーパーデラックスDパッケージに近くドアモールとグレードエンブレムが非装備ですが、全車3ナンバー車相当の外観となっており、大型バンパーと大型フロントグリルが装備されています。

ホイールは15インチ銀色スチールで、ホイールキャップの代わりにセンターキャップが装備されている以外、色も含めてスーパーサルーンエクストラの3ナンバー車と共通です。

ドアサッシは白黒が車体色(白色)で覆面が市販車同様の黒塗りです。

市販車同様フェンダーミラーが標準ですが、ドアミラーもオプション設定されており、国費の覆面は基本的にドアミラー仕様で配備されました。また、覆面の前面警光灯は2000年度の国費に限りフロントグリル内側ではなく、外側にオートカバーが装備されました。

1999年のマイナーチェンジでウインカーの位置が変更されたほか、Cピラーエンブレムの王冠マークの下にSEDAN表記が追加されています。

警光灯はエアロソニックが標準ですが、エアロブーメランも選択可能で、国費車は全車エアロブーメラン仕様です。

後期型警ら仕様で警光灯を上昇させて視認性を高める昇降機が初めて採用されています。

内装

内装もスーパーデラックスDパッケージに近いですが、シートがビニール張りなほかタコメーターが装備されており、MT+タコメーターの組み合わせはパトカー専用です。

オーディオスペースにサイレンアンプとストップメーターが装備されるため、真下の本来何も無い場所に穴を開けてタクシー用の薄型ラジオを装備されており、前期型はAMラジオのみですが、後期型はAM/FMラジオが装備されています。

窓の開閉は130系まで全席手動式でしたが、150系では前席のみながらパワーウインドウが装備されています。

エアコンはマニュアルエアコンが設定されており、前期型ではオプションでしたが、後期型で標準化されています。

車内
後期型交通取締仕様(JZS155Z)の車内です。3000cc+5MTの組み合わせはパトカー専用です。運転席シートは市販車と異なりシートリフターとランバーサポートが非装備です。
AT車
後期型警ら仕様(GS151Z)AT車の車内です。
後席
後席です。パワーウインドウは前席のみのため、後席は手動ウインドウです。シート地はビニールレザーが標準ですが、北海道警にはスーパーデラックスと同様の布張り(ファブリック)の車両も配備されています。
後席用灰皿は前席シートバックに装備されますが当車は撤去されています。
アームレスト
150系ではパトカー仕様でもアームレストが装備されていますが、170系以降は廃止されています。
天井
天井にはルームランプの他、中央部にマップランプが装備されています。

警察向け以外にも旧日本道路公団向けに道路巡回車が設定されていたほか、献血供給事業団の血液運搬車としての採用実績もあります。

主要諸元

E-車

仕様 警ら(MT) 警ら(AT) 交通取締(白黒) 交通取締(覆面)
グレード スタンダード スタンダード スタンダード スタンダード
型式 E-GS151Z-AEMRK E-GS151Z-AEPRK E-JZS155Z-AEMRF E-JZS155Z-AEMKF
変速機 5MT 4AT 5MT 5MT
全長(mm) 4840 4840 4840 4840
全幅 1700 1700 1700 1700
全高 1635※1 1635※1 1625※1 1460(警光灯格納時)
1595(警光灯展開時)
重量(kg)※2 1370 1390 1460 1460
エンジン 1G-FE/135ps
性能は市販車と共通
1G-FE/135ps
性能は市販車と共通
2JZ-GE/225ps
性能は80系スープラと共通
2JZ-GE/225ps
性能は80系スープラと共通
燃費(60km/h定地) 17.4km/l 17.8km/l 15.2km/l 15.2km/l
変速比 市販車と共通 1速:2.452
2速:1.452
3速:1.000
4速:0.688
後退:2.212
減速比:4.556
1速:3.285
2速:1.894
3速:1.275
4速:1.000
5速:0.783
後退:3.768
減速比:3.909
1速:3.285
2速:1.894
3速:1.275
4速:1.000
5速:0.783
後退:3.768
減速比:3.909
タイヤ 195/65R15 91H 195/65R15 91H 195/65R15 91H 195/65R15 91H
※1.警光灯がエアロブーメランの場合の数値。エアロソニックは+10mm。※2.エアコン装着車は+10kg。

GF-車

覆面の諸元は不明
仕様 警ら(MT)
(前期型のみ)
警ら(AT) 警ら(AT・昇降機付)
(後期型のみ)
交通取締(白黒)
グレード スタンダード スタンダード スタンダード スタンダード
型式 GF-GS151Z-AEMRK GF-GS151Z-AEPRK GF-GS151Z-AEPRK GF-JZS155Z-AEMRF
変速機 5MT 4AT 4AT 5MT
全長(mm) 4840 4840 4840 4840
全幅 1700 1700 1700 1700
全高 1635※1 1635※1 1825 1625※1
重量(kg) 1380※2 1390※2 - 1470※2
エンジン 1G-FE/160ps
性能は市販車と共通
1G-FE/160ps
性能は市販車と共通
1G-FE/160ps
性能は市販車と共通
2JZ-GE/225ps
性能は80系スープラと共通
燃費(60km/h定地) 18.1km/l 18.5km/l - 15.2km/l
変速比 市販車と共通 1速:2.452
2速:1.452
3速:1.000
4速:0.688
後退:2.212
減速比:4.556
1速:2.452
2速:1.452
3速:1.000
4速:0.688
後退:2.212
減速比:4.556
1速:3.285
2速:1.894
3速:1.275
4速:1.000
5速:0.783
後退:3.768
減速比:3.909
タイヤ 195/65R15 91H 195/65R15 91H 195/65R15 91H 195/65R15 91H
※1.警光灯がエアロブーメランの場合の数値。エアロソニックは+10mm。※2.エアコン装着車は+10kg。
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