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220系クラウンパトカー特集

2021年6月に210系の後継として登場しました。搭載エンジンやトランク容量関係で、220系のパトカー仕様は登場するか微妙な状況でしたが、2020年11月の一部改良後、仕様書の改訂を経て当代でも設定されることになりました。

無線警ら車については仕様書的にはクラウンより安価なカムリでも対応可能でしたが、警ら用も交通用も全てクラウンとなりました。

トランク容量はメーカー公称値が431Lで、無線警ら車の450L以上を満たしませんが、容積1Lの箱を詰め込んで計測するVDA法以外で計測してクリアしたと思われます。

交通取締用四輪車のトランク容量は430L以上ですが、従来の仕様では3000cc級以上のエンジンでなければならず、排気量を満たす3500ハイブリッドの8GR-FXSではトランク容量が378Lと大幅に少なく仕様を満たしませんでした。
そのため、2020年度の仕様書改訂で最高出力が150kW以上なら2000cc級以上でOKと仕様変更されています。
また、無線警ら車も最高出力が135kW以上なら2000cc級以上でOKと変更されています。

エンジンは210系に設定されていたV6純ガソリンエンジンが存在せず、全車直列4気筒となり、2000ccターボの8AR-FTSと2500ccハイブリッドのA25A-FXSが搭載されます。
ターボ、ハイブリッド共歴代クラウンパトカー初採用となります。

2WD警ら仕様と交通取締仕様は2000ターボ、4WD警ら仕様はターボが2WD専用のため2500ハイブリッドとなります。
燃料は2500ハイブリッド車はレギュラー指定ですが、2000ターボ車は搭載エンジンの都合でハイオク指定となります。

トランスミッションは2000ターボが8速AT、2500ハイブリッドがCVT(電気式無段変速機)で、CVTは歴代初採用となります。

警察庁の電動化方針により、2022年度以降国費の無線警ら車はハイブリッド仕様の4WDのみ配備され、交通取締用四輪車も白黒は4WDハイブリッド車で配備されています。

2022年度に交通覆面ベースの警護車が配備されています。
国費導入車1台あたりの価格
年度 無線警ら車 無線警ら車
(4WD)
交通取締用四輪車 交通取締用四輪車
(4WD)
交通取締用四輪車
(反転警光灯)
警護車
2021 413万円 460万円 449万円 - 432万円 -
2022 - 462万円 - 528万円 471万円 428万円
2023 - 477万円 - 530万円 452万円 -

ベース車の価格が先代比で上昇しているため、パトカーの落札価格も上昇しています。

コーションラベル
交通取締仕様のコーションラベルです。(提供:もっくんさん)

外観

基本的にRS系に準じた外観となっており、ブラック塗装フロントグリルとメッキ加飾フロントバンパー、4本出しマフラーが装備されていますが、白黒はリヤスポイラーとRSエンブレム、メッキロッカーモールが非装着です。

白黒のドアミラーは白色から黒色に変更されています。

ホイールは標準車用が採用されており、ターボ車が16インチ、ハイブリッド車が17インチです(RS系市販車は全車18インチが標準)。
16インチは市販車では前期型のみ(Bに標準、Sにオプション)設定されており、後期型には設定されていません。

ドアサッシモールは全車メッキとなります。

交通覆面はRS-Bに近い外観となりますが、白黒同様ホイールが16インチとなり、市販車に存在しない組み合わせです。

ラジオアンテナはガラスアンテナ仕様が存在しないため、シャークアンテナが装備されています。

フロントトップシェードとソフトプライバシーガラスは市販車に非装着車が存在しないため、パトカーでも標準装備されています。

4WD車は市販車同様Fourエンブレムが装着されているほか、ホイールサイズが異なりハイブリッド専用の青色エンブレムとなるため、2WD車と区別が可能です。

市販車同様トヨタセーフティセンスが装備されており、王冠マークの位置に自動ブレーキ用レーダーが搭載されるため、旭日章はボンネットに装着されています。

市販車に標準装備のバックカメラは非装備となっており、装着位置にカバーが装備されています。

低排出ガス認定はハイブリッド車のみ受けていますが、2021年度以降生産の全トヨタ車で低排出ガス認定ステッカーの貼付が廃止されており、ステッカーは全車非装着となります。

従来は警察ごとに県費で対応していたPOLICE表記が仕様に含まれており、全警察で白黒全車表記となります。

国費車のドアバイザーは全車に装備されています。

覆面のボディカラーは当初ブラック、シルバーメタリック、プレシャスホワイトパールが存在しましたが、2023年度よりプレシャスメタルが確認されています。

警光灯
散光式警光灯は小糸製作所製のLED110シリーズ(LED110BRSX2)が採用されています。(提供:もっくんさん)
前面警光灯
前面警光灯は小糸製LEDで白黒、覆面問わずクリアレンズ仕様がフロントグリル内側に装備されています。(提供:もっくんさん)
前面警光灯
前面警光灯点滅状態です。こちらは4WDのため王冠マークがハイブリッド専用の青色となっています。(提供:きゅいまるさん)

内装

サイレンアンプはディスク挿入口の位置に装備されており、パトライト製ではなく新開発のトヨタカスタマイジング&ディベロップメント製e deckが搭載されています。ボタンが全てピクトグラム表記になっているのが特徴です。

パーキングブレーキは足踏み式に代わり、電動式が装備されています。クラウンでは初採用ですが、国費の無線警ら車ではBMレガシィB4で採用実績があります。

シフトレバーは170系以来のストレート式のため、シフトノブにシフトロック解除ボタンが装備されています。また、市販車同様シフトブーツが装着されています。

ステアリングホイールは全車革巻きが装備されていますが、チルト&テレスコピックステアリングは全車手動式が採用されています。

電光掲示板搭載車は表示板のメーカーが変更されており、コントローラーも新形状となっています。

メーターパネルは市販車に準じており、ターボ車はタコメーターが装備されますが、ハイブリッド車はハイブリッドシステムインジケーターが装備され、タコメーターは非装備です。

市販車に手動シート仕様が存在しないため、パトカーもパワーシートが装備されています。

市販車ターボ車に装備されるアイドリングストップシステムは非装備となり、シフトレバー付近のキャンセルスイッチも非装備となります。

一部国費車にはメーカー純正ドライブレコーダーが装備されています。

警ら車内
2WD警ら仕様(ARS220)の車内です。メーターの針は赤です。(提供:もっくんさん)
交通車内
交通取締仕様(ARS220)の車内です。サイレンアンプの機能以外は2WD警ら仕様と同一です。(提供:もっくんさん)
警ら4WD車内
4WD警ら仕様(AZSH21)の車内です。メーターの針は白です。(提供:もっくんさん)
オーディオスペース
パトカー用装備を搭載する関係で全車標準の12インチナビが非装備となり、その位置にストップメーターと1DIN AM/FMラジオが装備されています。(提供:もっくんさん)

市販車でも後期型ハイブリッドB/RS-Bに設定されるビジネスパッケージを選択するとオーディオ、ETC、バックカメラレスになりますが、フェイスパネルがピアノブラック塗装となります。
同仕様はタクシー向けに設定された裏仕様でカタログにも掲載されておらず、個人一般での新車購入はほぼ不可能だったと思われます。
トランクリッド
昇降機非装備車のトランクリッド内側に装備された、後部補助警光灯です。210系以前と比べて簡素化され、前面警光灯と同一形状の小糸製が2個装着されています。(提供:もっくんさん)
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