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キャラバン事故処理車特集

キャラバンは国費県費問わず全国的に事故処理車として大量配備されており、代表的車種となっています。ここでは1997年度以降の国費導入車の変遷について解説したいと思います。

いずれもロングボディ標準ルーフのDXがベースで、低床5ドアの6人乗りとなっています。

屋根には前方にパトライト製ドーム型サーチライトが2基、後方に電光掲示板、さらにその上にエアロソニック型警光灯が装備されています。

電光掲示板は前後に表示機能があり、「事故」、「検問」、「←←」、「→→」の項目が表示可能です。

塗装はメーカー純正の白黒塗装でカラーコードは2R8です。県費車は白ベースで黒部分が塗られる場合が多いです。

搭載エンジンは配備時期や仕様によって異なりますが、いずれも直列4気筒で、2WDがガソリンエンジン、4WDがディーゼルエンジンです。

E24(後期型)

国費導入車1台あたりの価格
年度 1997 2000
価格 271万円 222万円
261万円(4WD)

1997年度車はエンジンはキャブレター仕様のNA20Sで、トランスミッションは5MT、ホイールは14インチです。

電光掲示板は森尾電機製です。

2000年度車は一部改良でホイールが15インチ化され、電光掲示板はパトライト製に変更されました。

エンジンは2WDがDOHCインジェクション仕様のKA20DEに変更され、バックドアに2.0TWINCAMのステッカーが貼られています。

4WDも配備されており、こちらはディーゼルのQD32が搭載されています。

E25

前期型

国費導入車1台あたりの価格
年度 2001 2002 2003 2004 2005
価格(2WD) 203万円 入札無し 203万円 196万円 193万円
価格(4WD) マツダ落札 319万円 314万円 307万円 303万円
2001年度に2WD、2002年度に4WDが配備開始されました。

電光掲示板が森尾電機製に変更されましたが、1997年度車とは型が異なります。

2WDは引き続きKA20DE+5MTですが、4WDはエンジンがDOHC直噴ターボのZD30DDTiに変更されており、MTの設定が無いため4ATでの配備となりました。

ステアリングは2001年度車のみエアバッグレスの2本スポークで、2002年度以降はエアバッグ付きの4本スポークです。

2003年度車以降はベース車の改良でフロントバンパーの形状が変更されたほか、2WDはエンジンがクリーン化され、リアガラスに優-低排出ガス認定ステッカーが貼られています。

後期型

国費導入車1台あたりの価格
年度 2006 2007 2009 2011
価格(2WD) 196万円 215万円 マツダ落札 213万円
価格(4WD) 294万円 299万円 297万円 291万円
2006年度に配備開始されました。

寒冷地仕様はヒーター付きメッキドアミラーが装備されており、標準地仕様とは外観が異なります。

2WDは2007年度車からエンジンがQR20DEに変更され、低排出ガス認定ステッカーは平成17年基準の3つ星に変更されました。

2007年度車は2WDのみハロゲン前面警光灯が装備され、フロントバンパー側面にLED警光灯が埋め込まれています(4WDはいずれも非装備)。
2009年度以降は全車ハロゲン前面警光灯が装備されていますが、フロントバンパー側面のLED警光灯は非装備です。

4WDは2007年度以降全車寒冷地仕様で配備されており、2006年度車のみバックドアに3.0Di INTERCOOLER表記があります。

電光掲示板は基本的に森尾電機製ですが、2009年度車のみパトライト製が装備されています。

2011年度車は4WDのみディーゼル車のアルミホイール標準化に伴いアルミホイールが装備されています。

E26

前期型

国費導入車1台あたりの価格
年度 2012 2013 2014 2015 2016 2017
価格 246万円 289万円(4WD) 232万円
305万円(4WD)
233万円
305万円(4WD)
337万円(4WD) 302万円
2012年度に配備開始されました。当世代より車名がNV350キャラバンに変更されています。

2012年度は4WD指定の入札情報が確認できませんが、2WD、4WD共配備されています。

E25まで2WDはMT車でしたが、当世代より全車5ATでの配備となりました。

当世代より全車ホイールキャップが標準装備されました(E25の末期モデルから一部仕様で標準化されていましたが、レス仕様も選択可能で事故処理車はレス仕様で配備)。

4WDはエンジンが2500ccのYD25DDTiに変更され、バックドアにPURE DRIVEのエンブレムが装着されました。

前面警光灯はLED化され、2012年度車のみLPS、2013年度以降はLP3が装備されています。

当世代より寒冷地仕様の配備先が限定されており、ヒーター付きドアミラー装着車は一部地域のみの配備となっています。

当世代の標準ルーフのラジオアンテナはガラスアンテナですが、2013年度または2014年度車からハイルーフと同じピラーアンテナに変更されています。

電光掲示板は2000年度車以来のパトライト製が採用されましたが、生産終了に伴い、2016年度車以降はE25と同じ森尾電機製が採用されています。

スライドサイドウインドウとプライバシーガラスがセットオプション化されたため、当世代よりリアスモーク仕様となりました。

当初ドアバイザーがオプション装着されていましたが、2016年度車以降廃止されています。

車内
2012年度車の車内です。(提供:もっくんさん)

中期型

国費導入車1台あたりの価格
年度 2017 2018 2019 2020 2021
価格 269万円
324万円(4WD)
294万円 322万円 343万円 334万円
2017年度2次導入車より配備開始されました。

Vモーショングリル採用に伴い、前面警光灯の装着位置がフロントバンパーからフロントグリルに変更されましたが、グリルがバンパーをえぐるように大型化されているため、高さは変わりません。

ベース車の改良で当世代よりスライドドアのレールが車体色で塗装されているほか、バックドアのPURE DRIVEエンブレムが廃止され、エマージェンシーブレーキが全車標準装備されていますが、事故処理車を始め国費の警察車両の多くはレスオプション仕様で配備されてます。また、ヒーター付きドアミラー装着車はミラーがメッキ化されています。

2018年度以降4WD指定の入札が行われていませんが、4WD自体は国費配備されており、2WDとまとめて調達されていると思われます。

2019年度車からリアアンダーミラーの代わりにバックカメラが装備されており、ルームミラーの位置にバックモニターが装備されています。

2020年度車はベース車の改良で車名エンブレムがNV350からCARAVANを強調させたものに変更されています。

2021年10月にマイナーチェンジされ、車名がキャラバンに戻りましたが、2021年度は改良前のモデルが配備されています。外観は2020年度車とほぼ同一ですが、低排出ガス認定ステッカーが廃止されているほか、寒冷地仕様はヒーター付きメッキミラーの形状が変更されています。

車内
車内
中期型の車内です。サイレンアンプはSAP-520で、後席には筆記用テーブルと電光掲示板、サーチライトのスイッチが装備されています。(投稿画像)

後期型

国費導入車1台あたりの価格
年度 2022
価格 405万円
2022年度に配備されました。

ベース車の改良で車名がキャラバンに戻され、新CIが採用されています。

エマージェンシーブレーキが当世代より装備されているほか(レスオプション廃止)、ラジオアンテナがピラーアンテナからガラスアンテナに変更されています。

トランスミッションは全車7速ATで、4WDはエンジンが2400ccの三菱製4N16に変更されています。 < BACK << TOP