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マークIIパトカー特集

1970年代〜1990年代前半までトヨタのパトカー専用モデルは警らがマークII、交通がクラウンと別れていました。

共通事項

いずれの世代も2000ccエンジン搭載で、リアサスペンションは車軸式です。

トランスミッションはフロアシフトのMTのみで、ATは設定されませんでした。

グレード名は歴代を通してDXですが、市販グレードのDXとは中身は全く別物です。

内装はシートが後席ヘッドレスト非装備のビニール張りで、パワーウインドウも非装備なためSTDに近いです。

10系

マークII初のパトカーグレードとして1973年に登場しました。

エンジンは歴代唯一となる直列4気筒で、18R(105ps、グロス値)が搭載されました。

トランスミッションは4MTです。

30系・40系

ベース車のモデルチェンジから1年遅れの1977年に登場しました。

エンジンは当世代以降直列6気筒が採用されており、キャブレター仕様のM-U(110ps、グロス値)が搭載されました。

トランスミッションは4MTです。

警光灯は円柱型(単灯式)で、前面警光灯は非装備です。

外観はGL相当で、ホイールキャップも装備されています。

1978年に市販車がマイナーチェンジしましたが、パトカー仕様の後期型は1979年にM-Uの昭和53年排出ガス適合に合わせて登場しており、型式がC-MX30ZからE-MX40Zに変更されています。

後期型ではスモールランプの部分がメッシュ化されてモーターサイレン用のグリルに変更されており、スモールランプはチェイサー用のウインカー一体型が採用されています。

60系

ベース車のモデルチェンジから1年遅れの1981年に登場しました。

エンジンはインジェクション仕様の1G-EU(125ps、グロス値)です。

トランスミッションは前期型が4MT、後期型が5MTです。

警光灯は円柱型(単灯式)が標準ですが、小糸製散光式も設定されており、国費車は後期型から散光式が採用されています。また、当世代より前面警光灯が装備されました。

外観は銀色スチールホイールながら電動リモコンメッキフェンダーミラーとカラードバンパーが装備されており、GLに近いです。

当世代からサイレンアンプが標準採用されており、円柱型警光灯装着車は屋根にサイレン用スピーカーが装備されています。

1982年のマイナーチェンジでヘッドライトが角型4灯から角型2灯に変更されました。また、MTの5速化に伴いフル型式の末尾が「XEKDE」から「XEMDE」に変更されています。

70系

1984年に登場しました。

エンジンは引き続き1G-EUですが130ps(グロス値)に出力が向上しており、トランスミッションは5MTです。

エアコン、パワーステアリングはセットでメーカーオプションです。

当世代より6気筒エンジン市販車は全車四輪独立懸架サスとなっており、6気筒と車軸式の組み合わせはパトカー専用となっています。

警光灯は散光式で、前期型は小糸製(スクエア型に似ているがスピーカーグリルの形状が異なる)で後期型はエアロダイナミックが採用されています。

当世代より市販モデルからDXが廃止され、完全なパトカー専用グレードとなり、銀色スチールホイールながら電動リモコンメッキフェンダーミラーとカラードバンパーが装備されており、STDとGLの中間のような外観となっています。

1986年のマイナーチェンジでフロントグリルとテールランプの形状が変更されたほか、フォグランプが標準装備されました。

灰皿の下に専用のコンソールが装備されており、松下通信工業(ナショナル)製サイレンアンプとアナログ式ストップメーターが装備されています。

オーディオはダッシュボード上に専用ステーでアナログAMラジオが装備されています。

タコメーターはSTD同様非装備で、6気筒エンジンでタコメーター非装備なのはパトカーのみとなります。

80系

1988年に登場しました。

エンジンはDOHCの1G-FE(135ps)で、トランスミッションは5MTです。

警光灯は登場時エアロダイナミックが標準でしたが、国費車は全車エアロソニックが採用されています。

エアコンはオプション扱いですが、パワーステアリングは標準装備されました。

グレードはパトカー専用のDXで、銀色スチールホイールながら電動リモコンメッキフェンダーミラーとカラードバンパーが装備されており、STDとGLの中間のような外観となっています。

オーディオスペース上段に矢崎製ストップメーター、灰皿の下に佐々木電機(パトライト)製サイレンアンプ(SAP-50)、その下にタクシー用薄型AMラジオが装備されています。

当世代よりタコメーターが装備されており、ビニールシートとタコメーターの組み合わせはパトカー以外では教習車のみとなります。

1990年のマイナーチェンジでフロントグリルとフロントウインカー、テールランプのデザインが変更されたほか、1993年の一部改良でトヨタCIマークのトランクキーシリンダーカバーが採用され、車名エンブレムがTOYOTA MARKIIから単にMARKIIに変更されています。

1995年の生産終了後、マークIIのタクシー、教習車仕様はコンフォートに引き継がれ、パトカーは150系クラウンに統合されています。

国費導入車1台あたりの価格
年度 1989 1992
価格 195万円 213万円
1994年度国費の無線警ら車もトヨタが落札していますが、130系クラウンの2000ccが配備されたため、1993年以降の最終型は国費配備されず、県費のみの配備となっています。

国費車の退役が進んだ後も1993年度に県費配備された愛知県警の車両が最後まで残っていましたが、2013年度で退役となりました。

主要諸元

70系

型式 E-GX70Z-XEMDE
変速機 5MT
全長(mm) 4630
全幅 1690
全高 1625
重量(kg)※ 1200
エンジン 1G-EU/130ps(グロス値)
性能は市販車と共通
燃費(60km/h定地) 18.5km/l
変速比 市販車と共通
タイヤ 175SR14
※パワーステアリング装着車は+10kg。

80系

型式 E-GX80Z-AEMDK
変速機 5MT
全長(mm) 4690
全幅 1695
全高 1600
エンジン 1G-FE/135ps
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