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スカイラインパトカー特集
1970年代〜1980年代まで日産のパトカー専用モデルは警らがスカイライン、交通がセドリックと別れていました。
ここでは歴代のパトカーグレードについて解説します。
共通事項
いずれの世代も直列6気筒2000ccエンジン搭載で、タコメーターと四輪独立懸架サスペンションが採用されています。
スカイラインには4気筒エンジン搭載車も存在しましたが、パトカー仕様は6気筒のためGTシリーズに準じた外装が採用されました。
トランスミッションはフロアシフトのMTのみで、ATは設定されませんでした。
基本的には警ら用ですが、世代によっては交通取締用途を想定した高出力車が設定されています。
エンジンの最高出力表記はR31前期型までグロス値、R31後期型以降はネット値です。
C10
当世代からパトカー専用グレードの存在が確認されていますが、確認できたのはカタログ画像のみで、実際に配備されたかは不明です。
C110
1972年に登場しました。
当世代から全国的な配備が確認されています。
エンジンはL20(115ps)です。
当世代からGTシリーズに採用された丸型4灯テールランプはパトカーにも採用されました。ただし、フロントグリルはデラックス用です。
1976年に昭和51年排出ガス規制適合し、型式がYGC110からC-YGC111に変更されています。
C210
1977年に登場しました。
エンジンはL20(115ps)でトランスミッションは4MTです。
フロントグリルのSマークは左寄せで旭日章に干渉しないため、そのまま装備されています。
グレード表記は2000GTですが、大型バンパーではなくバン用の標準バンパーが装着されているため、全長は4460mmと通常の6気筒モデルよりも140mm短くなっています。
フェンダーミラーは手動式でTI用です。
ステアリングホイールはTI用の2本スポークで、当世代からチルトステアリングが採用されています。
インパネは基本的に2000GTと共通ですが、メーターパネルはアナログ時計が装備されない代わりに旭日章がデザインされているほか、一部警告灯が省略されています。
ドアトリムはTI用で、フロントドアにはドアポケットが装備されています。
1979年のマイナーチェンジでヘッドライトが丸型4灯から角型2灯に変更されたほか、昭和53年排出ガス規制適合に伴い型式がC-YHGC210からE-YHGC211に変更されています。
後期型からスクエア型の散光式警光灯が選択可能になり、クラリオン製サイレンアンプがセットで装備されました。
1980年以降、市販車同様パトカーにもターボ仕様のL20ET搭載車が登場しており、こちらは5MTの組み合わせと思われます。
R30
1981年に登場しました。
エンジンは全車インジェクション化され、L20E(130ps)とターボ付きのL20ET(145ps)です。
トランスミッションは当世代以降全車5MTです。
警光灯は単灯式(円柱型)と散光式が選択可能で、全車に松下通信工業(ナショナル)製サイレンアンプが搭載されており、単灯式の場合は屋根にサイレン用スピーカーが別体で装備されています。
当世代より前面警光灯と電動リモコンフェンダーミラーが装備されました。
Sマークは先代同様左寄せで旭日章には干渉しませんが、前面警光灯と干渉するためパトカーでは非装着です。
グレード表記はL20E搭載車GT-E、L20ET搭載車がターボGT-E(エンブレムはTURBO E)です。
パトカーでは珍しいベージュ系内装色で、ステアリングホイールはTI用の2本スポークが採用されました。
1983年にマイナーチェンジされ、国費導入車は散光式警光灯が採用されたほか、サイレンアンプがクラリオン製に変更されています。
R31
1985年に登場しました。
エンジンはSOHCのRB20E(130ps)とDOHCのRB20DE(165ps)です。
グレード表記はRB20E搭載車がGTなのに対し、RB20DE搭載車はGTエクセルとなっており、それに加え市販車同様トランクリッドにTWINCAM 24VALVEエンブレムが装着されています。
警光灯はエアロダイナミックが採用され、サイレンアンプは松下通信工業(ナショナル)製が採用されました。
オーディオはアナログAMラジオが装備されましたが、R30まで探索灯が収納されていたコンソールボックスの中に装備されており、探索灯はトランクルームへ移動しています。
当世代よりパワーステアリングとデジタル時計が装備されましたが、パワステはレス仕様も選択可能です。
1987年にマイナーチェンジされ、ステアリングは2本スポークから3本スポークに変更されたほか、国費の無線警ら車はイエローレンズのフォグランプが装備されました。
最高出力の表記方法がグロス値からネット値に変更され、RB20Eが115ps、RB20DEが150psとなりましたが性能に変化はありません。
RB20DE搭載車はGTエクセル廃止に伴いグレード表記がGTとなっています。
1987年度に後期型が国費配備されています。
R32
1989年に登場しました。
エンジンはRB20E(125ps)のみです。
外装はGXi用のハーフホイールキャップが装備されていますが、RB20E搭載の市販車同様グレード表記はGTEとなっています。
警光灯はエアロダイナミックとエアロソニックが設定されました。
フォグランプはヘッドライト組み込み型が標準ですが、イエローレンズの別体式装着車も存在します。
サイレンアンプはクラリオン製1DINタイプで、ストップメーターはアナログタイプと関東精器(後のカンセイ)製デジタルタイプが選択可能です。
オーディオはR31同様、アナログAMラジオがコンソールボックス内に装備されました。
シートはビニール張りですが、市販車にアームレスト非装着車が存在しないため、パトカーもアームレスト付きとなっています。
市販車に手動ウインドウ仕様が存在しないため、パトカーもパワーウインドウが装備されました。
当世代はパトカー仕様唯一の4ドアハードトップで、ナビミラーは専用のステーで装着されています。
室内の狭さなどから国費配備されず、埼玉、愛知、山口など少数が県費配備されるに留まっており、1990年度国費の無線警ら車はY31グロリアが配備されました。
パトカー仕様は前期型のみの設定となり、1991年に生産終了されました。
グロリアのパトカー仕様が事実上の後継となりますが、1994年にクルーのパトカー仕様が登場し、直列6気筒エンジンと5ナンバーサイズの組み合わせが復活しました。
主要諸元
C110
グレード |
2000GT |
型式 |
C-YGC111 |
変速機 |
4MT |
全長(mm) |
4460 |
全幅 |
1625 |
全高 |
1650 |
重量(kg) |
1225 |
エンジン |
L20/115ps |
タイヤ |
175SR14 |
C210
グレード |
2000GT |
型式 |
C-YHGC210 |
変速機 |
4MT |
全長(mm) |
4460 |
全幅 |
1625 |
全高 |
1650 |
重量(kg) |
1200 |
エンジン |
L20/115ps |
燃費(60km/h定地) |
15.5km/l |
変速比 |
市販車と共通 |
タイヤ |
185/70HR14 |
R30
グレード |
GT-E |
型式 |
E-YHR30 |
変速機 |
5MT |
全長(mm) |
4595 |
全幅 |
1665 |
全高 |
1645 |
重量(kg) |
1290 |
エンジン |
L20E/115ps |
R31
グレード |
GT |
型式 |
E-YHR31 |
変速機 |
5MT |
全長(mm) |
4590 |
全幅 |
1690 |
全高 |
1605 |
重量(kg) |
1290 |
エンジン |
RB20E/130ps |
燃費(60km/h定地) |
18.5km/l |
変速比 |
市販車と共通 |
タイヤ |
185/70R14 |
R32
グレード |
GTE |
型式 |
E-YHR32 |
変速機 |
5MT |
全長(mm) |
4625 |
全幅 |
1695 |
全高 |
1570 |
重量(kg) |
1230 |
エンジン |
RB20E/125ps |
燃費(60km/h定地) |
18.5km/l |
変速比 |
市販車と共通 |
タイヤ |
185/70R14 87S |
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